black・隆平

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「はぁっ…はぁ…」 学校の昼休み 我慢しきれなくなった私は 知らぬ間に隆平の家へ足を運んでいた。 ピーンポーン もういるわけないのに インターホンを鳴らしてみる私。 「…いるわけないのにな…」 落胆していた時 ふと目についた封筒。 新聞やら手紙を入れる箱の中に入っていた。    "れいちゃんへ" 封筒にはただそうかかれていて 私は封筒から手紙を取り出した。 "勝手なことしてごめんね。 でも… れいちゃんにあんなことして 僕はれいちゃんに合わせる顔がありません。 それと… 何も言わずにいなくなってごめん。 あんなことしてホンマにごめん。 僕… 最近になって親の都合で引っ越すことを知りました。 僕はショックやった。 何よりれいちゃんと離ればなれになるのが嫌やったから。 好きな人と 今までずっと一緒にいた人と離ればなれになるなんて 想像もしていなかったから。 むしゃくしゃして あんな方法でれいちゃんとひとつになってしまった。 でもひとつだけ言えるのは… あれは遊びなんかやない。 一時の迷いなんかやない。 ただ純粋に好きやったから… でもあんなことして 許されることやないから。 僕は何も言わずに れいちゃんから離れることにした。 れいちゃん 傷つけてごめん。 僕なんかを今まで見てくれてありがとう。 幸せになってね。 もう出会うことはないんやろうけど… 笑顔で 幸せになってね。 丸山隆平より" 隆平って… 何でこんなにバカなの…? いつもそうだよ…。 いつも…。 勝手なんだか優しいんだか… 全然分かんない。
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