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「‥っえ‥すばるっ―」
それから美幸を見つけた俺は
そのまま美幸の手を引き歩き出していた。
何も言わずに歩いていると
しびれを切らしたのか美幸が声を出した。
「ちょっと‥離してよ」
「‥ムリ」
「っ‥ムリって―」
「…泣いてたん…?」
「‥へ‥」
美幸の方へ振り向いて
じっと目を見つめた。
「目、赤なってる」
「っ―。すばるのせいだよ!」
「……」
「すばる‥最近あたしに意地悪ばっか…!!あたしが嫌いなら構わなきゃいいのに…っ」
何でやろ…
今は困った顔や泣いてる顔よりも‥
笑ってる顔が見たいと思った。
「‥誰が嫌いやねん」
「え‥?」
そう言って俺は
掴んでいた美幸の手を引っ張り抱き締めた。
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