sweet・章大

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約2年前― 私達がまだ中学生だった頃。 「千香ー!遅刻してる!」 その日は大切な高校受験の日。 なのにその日に限って家族そろって寝坊した。 急いで仕度を始めるも 慌てすぎて髪の毛はボサボサだし 制服はちゃんと着れないしで 私はイライラしっぱなしだった。 しかも… 予定日より早く そして急すぎる程急にきた女の子の日。 もう何もかもが最悪だった。 「行って来ます!」 私はとにかく学校まで走った。 ズキ… 「っ…」 途中でずきずき痛み始めるお腹。 もともと私は生理痛が酷かったんだから 薬くらい飲めばよかった…。 私はあまりの痛さに冷たいコンクリートに座り込んだ。 時計を見れば 受験まであと15分。 走ればまだ間に合うのに… もう終わりだ… 最悪… 「っ…痛い…っ…私のバカぁ…」 一粒の涙が地面に黒い染みをつくった。 キキーッ― その時 自転車のブレーキの音が近くから聞こえた。
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