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「ん‥あれ‥ここ…」
目を覚ますと
私はベッドの上にいた。
「あ、起きた?あなたさっきまでずっとここで寝てたのよ」
保健室の先生と思われる人が私に温かいお茶を出してくれた。
「私…受験は…っ」
「大丈夫、落ち着いたら午後から特別に試験させてもらえるから」
「…よかった…あ…そういえば…」
あの人はどこに行ったんだろう。
私はずっとそれが気になっていた。
あの人もちゃんと間に合ったのかな…?
もしかして私のせいで…
「あの人ってあの男の子?あの子もギリギリ間に合ってちゃんと試験受けて帰ったわよ。あなたによろしく言っててって言われたわ」
「…そう…ですか。なら良かったです」
本当安心した。
それに自分も受験遅れてるっていうのに
そんなこと気にもとめず私をおぶってきてくれるなんて…
そんな心の優しい人に初めて出会った。
お互い…
合格してればいいな…。
私の願いはただそれだけだった。
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