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「へー、そんなことあったんやな。俺聞いてないねんけど」
亮ちゃんはそう言った。
「言ってないもん」
「ってかヤスってそんな男らしいことすんねんな。最近ホンマに女に見えてきたもん」
「もー、章大はれっきとした男の子だよ!亮ちゃんよりずーっとカッコいいもん」
「あーそーですかー」
「そーですよー」
すると向こうの方から大倉君と章大が見えた。
「ちょっと、たっちょん返せー!!」
「えーやん、てかこんなんも届かんとかチビすぎやねんけど(笑)」
章大は大倉君が伸ばす手の中にあるお菓子を必死に取り返そうとしてる。
「ほら、またいじめられとるし(笑)」
「いーの!!章大ー!」
亮ちゃんにしかめっ面でそう言い
章大には笑顔で手を振った。
「あっ、千香!?待っててくれたん??」
章大は走って私の元に来た。
「うん。お疲れさま!帰ろ?」
「おん!じゃあたっちょん、亮、お先でーす」
章大はそう言うと
私の手を握り歩き始めた。
「章大、大丈夫?村上君に怒られてたけど…」
「…ははっ、大丈夫大丈夫!ちゃんと書記の仕事をまっとうしてきたから(笑)」
そう言い笑った章大の顔は
あの日
入学式の時に初めて見た章大の笑顔によく似ていた。
END
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