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「お疲れー!」
仕事が終わり
足早に香澄の待つ公園へ向かった。
いちいち家戻るんももったいないから祭りの近くの公園で待ち合わせすることになっていた。
「…香澄!」
「あっ、信五!!お仕事お疲れ様、お祭り行ける?」
少し控えめにそう言った香澄。
「当たり前やん。いくで」
そんな香澄の手を握って俺は歩き始めた。
「うんっ」
「てか浴衣、かわえーやん」
「ホント?!えへへ、嬉しいなぁ//」
「着付け時間かかるん?」
「うん。でもだいぶ慣れたけどね」
そうやって他愛ない話してる間に着いた祭り会場。
「人わんさかおるな」
「あはは、ホントだね(笑)」
「ほな、ちゃんと手ぇ握っとけよ」
「うんっ!」
そう言って俺達も人ごみの中へ足を踏み入れた。
「あー、信五わたあめ!わたあめ食べたい!!」
「ん、買ったるわ」
「おいしー…あ、あんなとこに焼きそば!とうもろこし!」
「どんだけ食うねん!!」
そうやって楽しく出店を回った。
「信五!」
「んー?」
「もうすぐ花火だよ!」
「あ、せやなぁ。どこで見る?」
「ん~…あっちは既に人いっぱいだし…」
「…あ」
その時
先日記者の人が言っていた言葉を思い出した。
―――
――
―
「村上君って祭りとか行かない派なんですねー。でも近くの大規模なお祭りあるでしょ?」
大規模なお祭り…
あー、きっと香澄が言ってたやつやな。
「おん」
「あそこの花火がよく見える場所去年の祭りで見つけたんですよ!」
「ほぉー、そうなん」
「はい!まぁ今年は私も行けませんけどねー。村上君がもし祭りに行く時のために教えておきますね!」
―――
――
―
「信五?」
「……」
「おーい!」
「うーん……あっ、あそこや、香澄行くで!」
「わっ、ちょっと信五!?」
俺は香澄の言葉を無視して
ある場所まで走った。
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