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「信五~ここどこ?暗いよ~」
「ここら辺でええか」
「…?」
俺は掴んでいた香澄の腕を離して
コンクリートの上に腰をおろした。
「え?ここ駐車場だよ?」
「えーから、座りぃ」
「でも、花火…」
「えーから!」
「う‥うん‥」
香澄は俺の隣に座り
俺の手を握った。
「ん?」
「暗いから‥繋いでて」
「そーいや、香澄暗いとこあかんねんな(笑)」
「ちょっとね」
「でも見とき、今に明るくなるから」
そう言って俺は空を見上げた。
「あは、信五何か変?」
「はぁ~何でやねん。星が綺麗やなーって思ってるんに(笑)」
そうやって2人で話している時やった。
ヒュ~
「‥え‥?」
「‥お」
1つの光が空高く登ったかと思うと
ドドーンッ
瞬く間に光かがやく花火が俺達の目の前に広がった。
「わーっ!花火だ!!信五、花火っ!!」
「花火花火言わへん!!」
「綺麗ー‥しかもすっごい見える‥信五、こんな場所知ってたの??」
「まーなぁ。すごいやろ?めっちゃ綺麗やなぁ」
「‥うん‥綺麗‥」
花火に見とれる香澄の肩を寄せた。
「…結構、楽しいやん」
「え?」
「祭り!!」
「でしょっ??祭りの楽しさ知ってもらえてよかったー!」
そう言って笑った香澄は
いつもよりもっともっと綺麗やった。
あの花火みたいに輝いとった。
「…また、こよな。来年も、再来年も」
「ん?」
「いや、何もないで」
END
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