black・侯隆

4/6
前へ
/88ページ
次へ
翌日― 教室で マルやらすばる達と一緒に話していた。 「あれ、ゆーちんまだポーチ返してないん?」 「おん。アイツ忘れて帰ったからな」 そんな話をしてると 梨果が教室に入って来た。 「あ、梨果ちゃんおはよーさんっ」 「…あ、おはよーマルちゃん…」 マルの挨拶に元気なさげに答える梨果。 「…?」 マルもすばるも不思議そうに梨果を見てた。 ポンッ― 「おい、チビ」 「わっ…きみくん…?」 「これポーチ。お前昨日忘れて帰ったやろ」 「あ‥そうだったっけ。ありがと‥」 梨果はポーチを受けとると すぐに自分の席に着いた。 「梨果ちゃんどうしたん?」 「‥さぁ。何かあったんやろか」 気になりつつも 俺は梨果に何も聞かなかった。 2時間目の授業が始まる。 俺達のクラスは体育で 男女共にマラソン大会に向けての練習。 グランドをずっと走ってた。 その時 梨果が石につまずいて転けたのを見つけた。 「‥った~。もう、最悪…」 「梨果、大丈夫?保健室行く??」 「大丈夫大丈夫!!ちょっと座ってるね」 友達とそんな話をして スタンドの方に腰をおろした。 「おい、梨果」 「あ、きみくん。どしたの?」 「ケガしとるやん」 「うん、さっき転けちゃった(笑)」 「……」 ムリして笑ってんの バレバレやって。 「きみくん?」 「ほら、保健室行くで」 「えっ、でも…」 「えーから!」 俺は梨果の手を掴み半強制的に保健室へ連れて行った。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加