black・侯隆

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「ちょっと痛いやろうけど、我慢な?」 そう言って俺は梨果の足に消毒液をつけた。 「…っ…痛っ…」 「うわー、いたそ」 「も~っ、もっと優しくしてよー!!…ふぇ…痛い~!!」 梨果は急に子供みたいなこと言って 涙を流した。 「梨果…さっきから気になってたけど、何かあったん?」 「っ…何もないよ。痛いだけ。ホントきみくんぶきっちょだね(笑)」 そうやって笑う梨果に腹が立った。 「…いつまでそうやって無理して笑うん?」 「え……」 「もう我慢の限界やわ」 「…忠義…浮気してるとこ見ちゃった。…昨日私とバイバイして何時間も経たないうちにね、他のコと…っ」 「…っ…」 「知ってた?実は忠義って浮気男で有名なの!!(笑)」 「……」 「…知ってるよね。私も、ずっと前から知ってたんだぁ‥」 梨果がまた 悲しそうな顔をする。 はっきり言ってその言葉には驚きやった。 ずっと知らんと思ってたから。 「何で‥」 「言っても噂でしょ?だからそんな話聞いても嘘だって信じてた。忠義のっ…首筋についてたアザも…私がつけたアザじゃないって知ってても、きっと私が知らない間につけてたんだ…って思うようにしてた」 「…っ…」 「でも‥実際違う女と2人でいるの見るのは…辛かったよ…」 何でなん… 何であんな奴の為に梨果が傷つかなアカンねん。 梨果が涙流さなアカンねん。 こんなんおかしいやん…。 不公平やろ。
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