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「お兄ちゃんと悠姉ちゃんも短冊書く?」
てちてちと歩いてきたのは有紀。はい、と差し出す手には二枚の短冊とペン。
「うん、なんか書こうかな。有紀ちゃんは何書いたの?」
悠は受け取りながら訪ねる。有紀はじゃじゃーん、と効果音でも聞こえるかのように悠の前に短冊を掲げた。
「……背が、高くなりますよう、に?」
えへへ~と笑う有紀。なんとも可愛らしい願い事だ。……だけど、
「いいじゃん、有紀ちゃんこのままで~。俺と身長近いんだしさぁ」
がばっと有紀に抱きつきながら悠は言った。悠の身長は150cmと少し。一方有紀は140後半。悠の最近の口癖は「俺、中学生に混じっても違和感ないぜ。下手すれば小学校高学年にも混ざれるし」。
「やだぁっ!身長伸ばすのー、160超えるのー!」
「いいじゃねぇか、俺を抜かさなくても。見下ろす気なのか? 君、俺を見下ろす気か?」
「有紀、小さいほうがいいぞ」
「ほら朝紀もそう言ってるじゃん。このままで可愛いって~」
「絶対身長伸ばすんだからっ!いいもん、悠姉ちゃん見下ろしてやるもん!」
「ちょ、なんか宣言されたんだけどっ!!お姉さん悲しいっ」
「悠………そろそろ有紀を離してやれ」
「へーいへい」
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