精一杯の、おめでとう

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    これは、ありえないくらいの緊張だと思う。全身が心臓のようとはよくいったものだ。鼓動で耳が痛い。 ――あぁ、夏海人に誕生日プレゼントを渡すというだけなのに、何故俺がこんなに緊張しなければならないんだ。 そう、今日は親友の誕生日なのだ。数週間前からあれこれ考えたはいいが、何をあげればいいのかさっぱり検討がつかない。 これまで、そこそこ仲の良い奴はいたけれど、誕生日プレゼントをあげるなんていうことはしてこなかった。まず、他の奴らってどうしてんの?もしかして俺の知らないところで、プレゼントあげたりしてたの?いやいやいや、女子のそんな光景は良くみてたけど…男子は―― 「朝紀、どうした?」 夏海人の声に我に帰る。そうだ、こいつにプレゼントを渡さねばならないんだった。刻一刻と時間が迫ってくる。あと20分弱で帰る時間だ。 ――えぇいっ、俺だって男だ。潔くいってやらぁ! あれ?これ告白みたいじゃね?なんて思いながらポケットから、小さな包みを取り出した。 「…夏海人、これ。あの……その…誕生日、おめでとう」 言いきった!やりきったよ俺!でもまだ言うことあったし! .
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