Love is

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    『ありがとう』 もう何度目だろうか……。 その言葉が、その時の笑顔が脳内で反芻される。それだけじゃない。今日一緒に出掛けたことで、未だに心が落ち着かない。触らなくても頬が上気しているのが分かった。 ――あぁ、なんか馬鹿みてぇ、俺。 こんなに嬉しいのも、こんなに幸せなのも俺だけなんだ。こんなに浮かれてるのも俺だけで ――こんなに好きなのも俺だけ、だし。 思い出してしまう。今日袖を引かれたこと。 嬉しかった、もちろん可愛かった。あれをときめきと呼ぶのなら、間違いなくときめきだ。だけど…あの時そんな気持ちになったのは俺だけ。 あんなに近くにいたのに、こんなに気持ちは遠かった。その事実が切なくて涙が浮かんだ。その切なさが隠しきれなかったのは、悠の驚いた瞳を見れば一目瞭然だった。けれど理由を聞かれても答えるなんて無理だろう。だから、何もなかったかのように振る舞ったつもりだ。 最近、こらえるのが辛い、なんて。4年間――恋心を意識してから――抑えてきた想いは、今や蓋をするのが難しい。 分かってる。これは焦りだ。 .
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