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悠の気持ちが揺らぐのではないかと、それが怖い。こんなこと自分が関われることじゃないのは分かってる。完全なる朝紀のわがままだ。
分かってるんだけど――怖い。
離れた時間が気持ちを遠くする。幼なじみなんて繋がりは、近くて遠い。近いからこそ分からないことだって多い。
高校に入ってからの約2年間。知らない悠が増えた。そこに今の状況だ。あんなに好意を向けられてる悠を見てると、胸がざわついて仕方がない。
悠が嫌われるのだって嫌だけど、『恋』的な意味で好かれているのを見るのは辛い。
俺がずっと見てきたのに、俺がずっと焦がれてきたのに。
お前らは悠の何を知っているんだよ。何を知って好きだと言うんだよ。
あぁ、思考がまとまらない。あいつに関してはいつもこうだ。巡り巡って、答えなんて見つからない。
俺はお前の隣にいられる理由が欲しい、幼なじみじゃなくて。
もっと強い絆がいい。
できならお前からも俺に好意が欲しい。
それを世間が恋人と呼ぶのならそれでいい。
……本当は形なんてどうでもいいんだ。結局、俺はお前が好きなだけ。それだけは揺るがない事実。
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