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「それを言うなら香菜弥嬢も痛いですよ。この前、自分の技に名前付けてたじゃないですか。なんでしたっけ?」
「滅・覇王龍閃昇神烈破か?」
「なんですかその無駄に長い名前は!!もはや名前に意味すら見いだせませんね……」
「なんだ、スゴイんだぞ?まずドリルの様に超回転させた拳を相手の腹に打ち込む。するとだな、その勢いで相手が回転しながら吹き飛ぶという大技だ」
実際に身振り手振りで技の解説をし始める香菜弥。それを見て、ため息混じりにヤレヤレと頭を振る夜影。
「人間の成せる技じゃないですよ。なんですか?回転しながら人が吹き飛ぶんですか?そんなメチャクチャな飛び方する人、見たコトないですよ」
「当たり前だ。今開発中なんだからな。いずれアタイが完成させる孔寺蓮流暗殺拳の必殺技にするんだ」
「孔寺蓮流を暗殺拳にしないでください!はぁ………なんだか疲れてきました…」
「ん?なんだ、寝不足なのか?」
「話が繋がってないです!!もう泣きたい……」
この年齢にして、まるで子供の様な香菜弥に呆れ果てる夜影。
昔からこうなのだ。日常生活においてド天然かと思うほど、いや確定してしまってもいいだろう。
抜けきってしまっている香菜弥のお守を昔からしてきた夜影。
初めこそ、破天荒な振る舞いにどうしていいか戸惑いを見せていたものの、今ではすっかり板についてきた。
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