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「ぶっ!!ククク……ぎゃーっはっはっはっは!!!てめぇ、そりゃ何の冗談だ!?アタイが好き!!?冗談も休み休みいえよ!!根性のある奴だとは前から思ってたけどよ、まさかドMだったとは思わなかったぜ!!!クククッ…!!やべぇ!!腹いてぇ!!」
涙を流しながら、腹を抱えて笑いだす香菜弥。自分のコトをそんな風に言うヤツを初めて見たからだ。
大抵は『嫌い』『憎い』と言うヤツが大半。頭がおかしくなったのかと思った。
「お、俺は本気だから!!」
しかし男は、顔を真っ赤にしながらも更に一歩踏み出す。
その一言で、香菜弥の笑いが止まる。涙も止まった。
「………イラつく野郎だ…」
「え?ぶっ!!」
静かにそう呟くと、一気に間合いに入り込み、顔面を連発で殴る香菜弥。不意を突かれた男はなす術もなく殴られる。
数回殴ると、腹を蹴り飛ばす。
倒れた男の下へ歩み寄り、胸ぐらを掴む
「てめぇを見てるとムカムカするんだよ……。殴っても殴っても収まるどころか、余計にムシャクシャしてきやがる……。もうアタイの前には現れるな。お前を見てるとどうかしちまいそうなんだよ……!」
香菜弥は胸ぐらを離し、立ち去ろうとした。しかし男は諦めない。
「俺は諦めないから!!」
立ち去る香菜弥の背中に向かって叫ぶ。香菜弥は返事をせずに、近くにあった消火器を蹴り飛ばしていった。
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