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「はじめっ!」
「そらっ!!」
「っ!!」
孔寺蓮宅の道場。合図と同時に香菜弥がとび蹴りを見舞う。しかしそれを受け流し、追い打ちを狙う拳児。
「ちっ!」
「もらったぁ!!」
隙のできた香菜弥に連打を打ち込む拳児。しかしそれを寸前のところで避ける香菜弥。まさに一進一退。めまぐるしい攻防が繰り広げられていた。
「まだ隙がありすぎだぜ!!!」
「くっ!!」
連打中の一瞬の隙を見つけ、カウンターを打ち込む香菜弥。それを寸前でガードし、一歩後退する拳児。
道場にどよめきが走る。あの香菜弥と同等、いや、それ以上の戦いを繰り広げているからだ。
今までに香菜弥と同等に渡り合ってきたのは夜影以外には例がない。
一息ついて、汗を拭きながら道着をパタパタさせる香菜弥。
「まだまだだな拳児。あと半歩踏み込みが足りねぇ。そのせいで打ち込みが甘いぜ」
拳を見つめ、感触を確かめる香菜弥。
「香菜弥も、開始早々あれはないんじゃないか?分かりやすすぎる」
「はっ!いつものコトだろ?わざと隙を与えてんのさ。そしてお前は乗ってきた。こっちの掌の上だ」
数年で、拳児の腕はメキメキと上達し、香菜弥にとって良い意味で脅威を及ぼす様になっていた。
街を占めるグループも、2人で、時には無理やり夜影も引き連れ、幾度となく潰した。
香菜弥の両親も数十回の説得の末、拳児のコトを認めたらしく。幸せな毎日が続いた。
そしてさらに数年の月日が経つ
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