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幼い頃―
名家の生まれの父は、1人娘の美歌が外に出ても恥じないようにと、幼い時から英才教育を始めた。幼い子には酷ではないかというほどの…
父の期待を裏切りたくない美歌は、幼いながらに一生懸命頑張っていた。
しかし、父の理想は高く美歌を追い詰めるだけだった。
そして、美歌がふと目を覚ました時に、父が母に言った言葉を聞いてしまった。
『なぜ、美歌はまだ私の望むところまでこないのだろうか…お前の教育が甘いのか?』
『美歌は幼いながらに良く頑張っています。あなたは美歌になんでも押し付け過ぎです!!もっと、美歌のことを…』
バシッ!!
『きゃあっ!!』
『私に口ごたえするな!』
父は母を叩いた。幼い美歌はその場を見てしまったのだ。
父は、ときどき気性が激しくなるが、手を上げるような人ではなかった。
幼い美歌は、母が打たれるのを見てもっと頑張らないと、また母が打たれると思って頑張った。
しかし、それでも父の理想は高く、父は終いには美歌に
『お前には失望したよ…もっとできるはずだろう?』
と言った。
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