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どんなに頑張っても、血の滲むような努力をしても到達できない父の理想…
そして、自分の頑張りを認めてはくれなかった父…
『失望したよ…』
この一言と父の行動は、美歌から表情を奪ってしまった。
何を言っても、何を訴えても無駄…
私は、家を継ぐためのただの人形に過ぎない。人形は美しく完璧でなければならない。
それ以来、美歌は家の中では表情を失った…
『どうせ、あなたも私を一宮を継ぐ人形としか思わないのでしょう?』
この思いのせいで、美歌は学校でもどんどん表情を出さなくなっていた。
しかし、今日、知秋に出逢ったことで、美歌の中の何かが変わった。
学校でも表情を出すのに抵抗があった美歌が、知秋の前では笑顔を出すことができた。
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