婚約者

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―次の日― 知秋が学校へ行くと、クラス中がザワザワとやけに騒がしかった。 知秋が教室に入ると、男子達が『やっと来た!!』とばかりに、 「知秋!!お前、昨日一宮さんと一緒だったんだろ?何で?!」 と、知秋に迫ってきた。 「てか、ちょっと落ち着けって!!…ったく、どっから話聞いて来たんだよ…ちょっと公園でバッタリ会って、練習見に来ない?って誘ったらOKもらえたから。」 「この羨ましいヤツめ!!」 クラスの男子は、知秋をこづいたりヘッドロックをかましたりとじゃれ合っていた。 普通科と特進科の男子にとって、1年とは言え美歌は憧れの的だった。特に、特進科と接点のない普通科では、会えるだけで羨ましいことだった。 そんな美歌と一緒に過せた知秋は、普通科の男子からしてみたらラッキーだった。
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