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美歌は近所にある公園に、散歩がてら来ていた。
家にいるのは退屈で、宛もなく歩いていたのだが、なぜかこの公園に惹かれて来た。
なんのヘンテツもない只の公園
だが、ここで何か起こる予感がした。
「やっぱり雪はきれい…全てを白にするんだもの…」
美歌は、辺り一面を見渡しながら言った。
美歌が雪に見とれて、ぼぉっとしてると…
「あっ、あぶない!!退いて!!」
後ろから、声が聞こえた。
「えっ?キャーッ!!」
美歌が気づくのとほぼ同時に、男の子が後ろから走ってきていた。
雪に足をとられたらしく、美歌の方に倒れこんで来た。
美歌はぶつかる!!と思って反射的に目を閉じ、体を硬くした。
2人は雪が覆う地面に倒れこんだが、美歌は痛みを感じなかった。
なぜならば、知秋がとっさに美歌を抱きとめ、知秋が下になるようにしたからだった。
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