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放課後、やっと鬱陶しい学校が終わり、下校の準備をする。
「騎士、帰ろうぜ」
龍に声をかけられ、「ああ」と短く答える。
帰り道、こいつと話してる間くらい朝のことは忘れようと思った。
が……
ふと前を見ると化け物がいた。
「おい、何だよ。あれ」
驚いた口調で龍が聞いてくる。
姿形は違うものの、今朝俺を襲った奴と同類だとわかる。
悪魔だ。
「……悪魔だ」
俺の答えに「はぁ?」と間の抜けた返事をする。
「……龍、逃げろ」
俺はこういう状況において当たり前なことを言った。
普通の人間なら「わかった!」とか言って逃げるだろう。
が、こいつは違ったらしい。
「おいおい、何言ってんだよ。
俺がいったい何なのか忘れたのか?」
そう言って龍は「札」を取り出す。
あぁ、そうだった……。
確かこいつの家は代々陰陽師の家系だったな……。
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