襲撃❗霊感戦隊

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ボク 「そ…、そうなんですか…?」 そんなこと…。 杉山先生は一言も言わなかった。 オクビにも出さなかった…。 斎藤 「あいつ…。いゃ、失敬。 杉山先生は、物凄い才能を持っている。 その杉山先生の復帰は、誰もが全員大喜びしたんだ。 それなのに…。 何でよりにもよって…ってな。 だから、よっぽどスゲェ才能と人格を持った子なのかって訊いてみりゃ、何かいまいちピンとこねぇ…。 そりゃ、誰でも大反対すんだろ…。 余程の事がねーと基本的に反対はしねぇ主宰以外の団体幹部で、杉山先生が景富くんを導き子にしてる事に賛同してんのは… 今でも、岩城先生と須藤さんだけだったんだ」 …………。 ジン 「───だった…?」 杉山先生の導き子にしてもらってるのが申し訳なく思い始めた時、ジンちゃんが聞き返した言葉に、ボクはハッとした。 斎藤先生は、怖い顔を優しい笑顔で染めた。 斎藤 「岩城先生は、こう言ってた。 ──悩む余裕が無くなる子だ…ってな😃 須藤さんは、こう言ってたな…。 ──どんな悲しみも、私には妻の死さえも、幸せの証拠にしてくれた優しい子ですよ ……普通、ダメだろ? そうじゃなくても精神にハンデを抱えながら、霊能者に復帰すんだぜ? むしろ、復帰させて良いのか不安だよ。 なのに、団体の中で主宰の次に特別な岩城先生と須藤さんがどうしてもと言うじゃねーか…。 更に、あの杉山の…じゃねーゃ。杉山先生がな、この前の会合で幹部たち相手に、一人で言い切ったんだぜ?──」 「前に私は、団体の意向で導き子を持った事が有りました。 今度は、私自身の意思で導き子を持ちたいと思います。 もし私があの子を導き子に出来ないなら、私は脱退いたします」 頭を、金づちか何かで叩かれたような気がした。 ボクの知らないところで、守られていた事実… ただ自分を許してと言っただけのボクを、ボクの知らないところでも守ってくれる先生と出会えた真実。 少し、視界がボヤける。 ──あの杉山先生に出逢えて、良かった… いけない…今は、それどころじゃないのに… 嬉しかった。
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