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斎藤
「──え?
………………。
そうですか…。判りました。
では、そのようにいたしましょう」
斎藤先生が電話を切って、緊張した面持ちで言った。
斎藤
「敵が、本格的に動き始めたぞ。
ピロさんは意識不明だ。
サキさんも、何だか使い物になってねーみてーだ」
………………??
ΣΣあのサキちゃんがっ!?❗💦💨
しかも、あの元気なピロちゃんが意識不明って…。
ボクたちの顔を見ながら、斎藤先生が言う。
斎藤
「死んだらあの世。生まれたらこの世。
…って、なんで簡単にいかねーんだろうな…。
嫌な力だよな…。
良いことなんかねーのに、なんでこんな汚ねぇこの世に未練残して、綺麗なあの世にいかねーんだろうな…」
斎藤先生は少し悲しそうにしてから、その鋭い眼光をボクたちに向けた。
斎藤
「本格的にやべぇ…。
サキさんの連絡を受けて動き出した岩城先生が、非常事態って言ってたぜ…」
聞けば、サキちゃんはボクの電話の後すぐに岩城先生に電話をしたらしい。
すると、どうもボクたちがけだもの姫たちの動きに気付いたらしいと、周りの悪霊たちが一斉にサキちゃんに邪念を飛ばした。
いくら心が強いサキちゃんでも限度はある。
途端に吐き気と頭痛に襲われたサキちゃんを急いで早退させ、岩城先生自身がサキちゃんを会社まで迎えに行ったらしい。
取り敢えず簡単にサキちゃんの周りを除霊して、事態の深刻さを知った岩城先生は、サキちゃんを連れてピロちゃんの家に直接行った。
前にピロちゃんが悪霊に狙われた時、駅前のビジネスホテルにサキちゃんと合宿することになって、
着替えを取りにピロちゃんの家に一緒に付いていったサキちゃんが場所を覚えていた。
ピロちゃんの家に着くと、お母さんが出迎えてくれた。
話を聞いて驚いた。
最初は少し熱っぽいだけだったが、次第に手足が痺れてきて口の中が苦いと言う。
急いで病院に行ったが原因が判らない。
精密検査を受けて、検査の結果が出るのを待っている段階で、ついにピロちゃんの意識が無くなった。
そんな矢先にシスター・レイコが感知して、まさにピロちゃんの家に向かうと連絡が有ったばかりだと言う。
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