襲撃❗霊感戦隊

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ピロちゃんの寝ている部屋に入ると、壮絶な悪霊の気配が残っていたらしい。 悪霊は一体だけみたいだったが、その力が桁違いだった。普通の悪霊じゃない。渦巻くような、とんでもない邪気。 シスター・レイコも到着して、岩城先生と心霊治療をしながら視てみると、どうやら修行半ばで断念してしまった霊感者の悪霊。 霊力が強くて当たり前だった。そして、霊能者が来たことに自ら退散したようだった。 なんとか意識を取り戻したピロちゃんだったが、今度はピロちゃんの霊感暴走が始まった。 ボクとピロちゃんは暴走期が有ると、岩城先生に初めてお会いした時に言われていた。 ピロちゃんは身の安全の為に、暴走期が終わるまでシスター・レイコが一時引き取る事になった。 斎藤 「──どうも、ピロさんの暴走期に合わせて攻めて来やがったみてーだな」 電話を切って、斎藤先生が苦々しそうに電話の内容を話してくれた。 斎藤 「何ヵ月も前からお前さんたちを見てて、景富くんとピロさんの暴走期の事は知ってたんだろうよ。 あちらさんからしたら景富くんの暴走期を狙いたかったろうが、景富くんの暴走期を待ってたらガンの短期修行が始まっちまう。 まず、ピロさんが暴走期で戦力から外れる時期に合わせて 全員を徹底的に弱めて、総攻撃を仕掛けてくるつもりなんだろうよ…」 ボクは、戦慄した。 ──ピロちゃんの浄気無しで…? 有り得ないハンデだ。 誰か一人でも欠けたら崩れる陣形なのに…。 ピロちゃんの浄気が無くなったら、前線組の陰陽師系の二人が敵に直撃される。 そうなったら、たぶんサキちゃんの破魔は間に合わない。 肌で雰囲気しか認識できないガンちゃんが、サキちゃんの言う方向に反射をし続けるしか無い。 弱いのはサキちゃんがどうにかできるにしても、ガンちゃんがまず崩れる可能性が高い。 まともに使える陣形は、ボクとガンちゃんでやる逃走のフォーメーションAしか無い…。 ジン 「──いきなり絶体絶命じゃないのよ…」 ボクと同じことを考えていたらしいジンちゃんが呆然とつぶやいた。 斎藤 「あほぅ❗そん為に俺らプロがいんじゃねーか👍」 斎藤先生が、カラリと明るい笑顔を輝かせてくれた。 それが実に頼もしくて、ボクは思わず頭を下げていた。
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