月明かりに照らされて

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    村に着き、自分たちが泊まっている村長の屋敷へ足を進める。 この村は町と比べても変わらないくらいの規模で、宿泊宿もアレば食事処などもある。 「あ、凜姉ちゃんだ。おかえり~」 「ただいま、みんな。良い子にしてた?」 この村に来て数年。最初は劾と命にビビって近づいて来なかった子供たちだが、凜が一人で外を出歩いている時に仲良くなり、退治に出ていない時は、一緒に過ごすようになっていた。 「うんッ!! お仕事終わったの? それなら遊ぼう?」 「ごめんね? もうちょっとだけ待ってて。村長さんと大事なお話しがあるから…。それが済んだら、遊ぼう。ね?」 子供たちはう~んという顔をするがスグに笑顔になり、口々に喋りだす。 「約束だよ?」 「終わったらスグに来てよね?」 「待ってるよ~」 「うん。終わったらスグに行くからね。雲英、悪いけどアノ子たちの相手をしててもらえる?」 小さく"わんッ"と吠え、凜に頭を撫でてもらう。 「ありがとう。それじゃあみんな、また後でね」 雲英と一緒に走り去っていく彼らを見送り、自分達も村長の待つ屋敷へと向かった。    
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