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「もぅいいかい?」
「まぁ~だだよ」
夕食までの時間、約束通り子供たちと遊ぶ凜。鬼ごっこで走り回ったあとはゆっくりお話しをと思ったが、子供たちにえぇ~という顔をされ、断念。
走り回るのが好きな彼らが選んだのは、べたにかくれんぼ。
鬼は凜がする事になった。
「もぅいいかい?」
「もぅいいよ」
「よし。じゃあ、いくよぉ」
遊べる場所は屋外だが、村の外には出られない。妖怪がいるからというのもあるが、山賊がというのあり得るからだ。
子供たちからの返事が遠いということは、当たり前のことながら離れた位置。
家の中に隠れるのは無しにしたが、家の下はありなのだ。コレは捜すのにも手間がかかる。
先ずは高いところから見渡すことにした凜は、近くの家の屋根に飛び乗る。
「あ、いきなり…。見ぃつけたッ」
本人もビックリ。3軒ほど先の家の屋根に2人いたのだ。
「凜姉ちゃんズル~い。屋根に登るの大変だったのにぃ」
ねぇと互いに顔を見合わせながら言う。
「ちょっと、つまらなくなっちゃったかな? ごめんね。さ、危ないから降りよっか?」
はぁいと返事をして、凜に抱かれて彼女たちは屋根から降りた。
隠れた子供はあと5人。
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