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「…っしゃぁ、大人しくなったぜ」
着地して凜に近寄り、いつもの調子で彼女の肩に腕をまわす。
「…重いんですけど?」
「あぁもうッ! 退けるよ、退けりゃぁいいんだろっ!?」
睨むと同時に、銃口を向ける。普段ならこんな脅しまがいのことはしないのだが…。
「…やっぱまだ怒ってる?」
「そうですね…。いたいけな少女の裸を盗み見ていたのですから。そんっな簡単に…」
皮肉たっぷりの言葉と、視線を命に投げつける。
「いや、アレはですね…。事故といいますか、不可抗力といいますか…」
視線が泳ぎ、顔がニヤけ紅くなっていく。
「と、とにかく、ワザとじゃ…ありませんからッ!!」
両手で凜が迫るのを制止する。
再び狼虎の銃口を命に向けていたからだ。
「それ以外に何か、言い残すことはありますか?」
可愛らしい笑顔を向ける。確かに可愛い…が、ただならぬ殺気を彼に対して放っている。
「り、凜ちゃん。早まっちゃダメだ。とりあえず落ち着こう。落ち着きましょう、銃口下ろして。ね? ね?」
ニタァとなる凜の表情。彼女が狼虎の引き金を引こうとしたその瞬間。再び大きく大地が揺れる。地面に埋まっていた一つ目が再び動きだしたのだ。
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