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「ダァーッ!! この野郎、鬱陶しいわッ!!」
眼魔から繰り出される触手での突きを横に跳んだり、氷鬼で薙ぎ払ったりして避ける。
凜は眼魔の攻撃範囲外まで後退し、命の援護をしている。
眼魔の触手は攻撃時に尖端が硬質化し、そこいらの鎧をいとも簡単に貫通するほど鋭い。
と言っても、触手自体のサイズが大きく、命が避けた場所に開いた穴は、子供一人が充分隠れれるだけの大きさだ。
つまり、当たれば"貫通"どころか"粉砕"となってしまうというのが正しいのだろう。
「狼虎、雷光よ。もう一度足を止めるわ」
眼魔の脚の付け根、腰のあたりに狙いを定め、引き金を引く。銃口から飛び出した光条はうねりながらも標的に命中する。凜の想像通りなら、コレで眼魔は再び崩れ落ちるハズだったが…。
「…冗談でしょ? 全く効いてない…?」
動揺する凜に向かって必死に攻撃を避ける命が叫ぶ。
「眼だッ!! ヤツの眼を狙えッ!! …って、ドわァッ」
絶え間なく繰り出される触手での攻撃、バカの一つ覚えみたく突きだけの攻撃が、いつの間にやら薙ぎ払いまで覚えたのか、触手をブンブン振り回すようになった。
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