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不幸にもその薙ぎ払いによって地面と感動のご対面を果たした命は、浅くだが少し埋もれている。
「もう赦さねぇ…。遊んでやるつもりだったけど、本ッ気で消す」
着ている袴についた土を払うと、氷鬼を両手で持ち、人差し指を交差させる。
少し微風が吹いたかと思うと、命の身体をを風が包んでいく。
そんな悠長に突っ立っていたら眼魔の触手を受けるんじゃないかと思うが、風が眼魔と命との間で防壁のように吹き荒れ、近づくどころか、その場から一歩も動けないでいた。
「氷鬼変化(へんげ)、"蒼嵐(そうらん)"ッ!!」
蒼嵐。命の力の一つで、身体強化と妖術を使用できるようになる変化。氷鬼の見た目もかわり、槍先の刃が使い手の手を守るように柄の部分まで覆うようになる。これにより、変化前と比べると、斬撃の威力が増した。
命の着ている袴にも少し変化(へんか)が見られ、流水の模様が袴に描かれ、両肩と膝から下にかけて、邪魔にならない程度の防具が"氷"で形成されている。
「最初から変化すればよかったじゃん」
変化した姿に満足して、さぁ今からボコボコにしてやるよと意気込んでいる命に、凜が"聞こえないように"毒づく。
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