生業

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着替えを終えた俺は、ある部屋へと入っていった。 そこには既に準備は整っており、部屋の真ん中には澪華さんが座っている。そして澪華さんの前にはぐったりと横たわっている一人の少年がいる。 二人の周りには四つの長い木が置いてあって、二人を囲むようにしめ縄が縛ってある。更にそこに盛られた塩が。 少し離れたところに恐らくこの少年の母親だろう人物が心配そうな表情で澪華さんを見ていた。 「……透。あの人をお願い」 「あ…はい!」 「遥香」 「はい」 俺は少年の母親の元へ寄って、大丈夫ですよと安心させ、遥香ちゃんは鈴が沢山ついた、赤い縄で繋がれた巫女鈴を持って澪華さんと向かい合うように座って構え始めた。
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