プロローグ

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「なんかさ、この道によく子供の笑い声が聞こえて…それからその窓に手形が浮かび上がってくるそうだぜ」 「だからやめろって…!」 助手席の男はさも愉快そうにして大声で笑った。 「お前絶対わざとだろ……」 「だって面白いじゃないか!ハハハ!」 運転している男は深い溜め息を漏らすと、隣から携帯の着信音が鳴り響いた。 「お、わりぃ。電話だ」 携帯の着信の正体は助手席の男のものである。 「はいはい…。もしもし」 助手席の男が電話に出た瞬間、電話越しから小さな子供の笑い声が響いてきた。 「ヒィ!」 すると今度は運転席側から男の悲鳴が上がった。
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