夢路

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本当に それだけで 「…俺もあいつはよくわかんねぇ…確かに面倒くさい事は嫌う奴だった…。だが、てめえとならやれると、名乗り出たのはあいつの方だ。あいつは自由奔放なところはあるが、自分勝手な奴じゃねぇ。自分がやるっつったんだ。最後まで責任は果たす」 では何故 「さぁな。そこまではわかんねぇよ」 「…楽楽…」 「呼んだかの」 呼んだ 「楽楽!」 「なんだ。呆気なかったな」 ホントに 「迷惑かけたのぅ。また礼はするぜよ」 「楽楽!楽楽!何処行ってたの!?」 「…秘密じゃ」 「…そっか。ねぇ、早く帰って寝よ?最近全然寝てないから…眠い」 「そうじゃの。帰るぜよ」 この2人は 本当に 一緒にいるだけで いいのだろうか 「いいんじゃねぇのか?それがあいつらの形なら、俺は文句は言わねぇよ」 形 「ずっと一緒にいたい奴がいれば、距離をおきたい奴もいる。現なんて完全放置だろ?そいつらにはそいつらの思う『保護』があるんだよ。そこで出来た繋がりに、他人が口出しする権利はねぇ」 繋がり 「ま、俺らはその繋がりも、綺麗にできてねぇんだけどよ」 「来てたんだ」 帰って来た 「何勝手に入ってるの」 「勝手に入られたくなかったら鍵でもかけとけ」 「不法侵入って言葉、知ってる?」 「意味も知ってるが?」 「不法侵入だよ?」 「…そうか?」 本気で わかっていないらしい。 「じゃ、てめえも上手くやれよ」 「上手く殺ります」 「あーぁ、物騒物騒」 殺ろうか 「あぁそうだ。祭囃子君が呼んでたよ。是非家まで来てほしいって」 唐突に こういうことを言うときは 決まってこいつの 企み 「断っといて」 「残念ながら、電話のコードが切れててさ。連絡取れないんだよ」 死ねばいいのに 「大丈夫。何も無いから」 信用ならない 「呼んでるのは俺じゃなくて祭囃子君だよ?」 信用ならない 「遊師もいるし、心配無いって」 信用ならない 「現姐さんにも伝えたし」 …死ねばいいのに 「行ってらっしゃい」 死ねばいいのに 死ねばいいのに 死ねばいいのに 「あ、来た来た」 「わざわざ来てもろて…堪忍な」 毛が逆立つ 何かが違う 「いろいろあって、自分に決まったんや。恨むんは夢助にしてぇや」 「平気平気。君だって少しは解ってたんでしょ?」 奧に 人が 「出来れば期待を裏切りたいとこなんやけどな」 「決まっちゃったから」 人が 生きている? 「しゃあないやん」
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