夢絵

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今日はゆっくりしたいのだが 「話すくらい、忙しくもないだろう」 枕元に腰を下ろさないでほしい。気が散って眠れない。 「寝んな。…てめえじゃ話し相手になんねぇな。帰るぞ」 「お気をつけて」 「ハッ。思ってもねぇ事言いやがって」 白の人が背を向けた時 黒の人と 目があった 「     」 口が動いた が 聞き取れなかった 「ただいま」 安眠妨害 「帰ってきたら『ただいま』って言うものだよ。ホントにずっと寝てたんだね」 うるさい黙れ たまには休ませろ 「うん。良いことだと思うよ?どっかの国だか宗教だかには、一日中なんにもしたらいけない時があるくらいだからね。日本人は働きすぎだよ。ま、僕らには関係の無い話だけどね」 うるさい黙れ 「途中で夜光と鴉天狗に会ったよ。話し相手にくらい、なってあげてくれないかな。彼等、ああ見えて寂しがり屋なんだからさ」 それなら お前が話せばいい 「嫌だね。前に言っただろう?俺は彼等が苦手なんだよ。話すなんて、考えるだけで吐き気がするよ」 お前が言えた台詞じゃない 「さてと、そろそろ祭囃子君が来るだろうから、鬼ごっこの続きでもしようかな。ちょっと行ってくるね」 いっそ死んでこい 「やだよ」 「あーぁ、ホンマ、こんな寒い時にようあんだけはしゃげるなぁ。君もそう思うやろ?」 いい加減、独りにしておいてくれないだろうか。 「にしても、此処も寒いなぁ…。自分ホンマに風邪引くで?」 文句があるなら暖房器具のリモコンを探せ。 「ん?どうせ暇やし。かまんよ?」 他人の家を、物色するつもりか。 「あったでぇ」 早い。 「ほら、これやろ?」 それはテレビリモコンだ。きちんと「TV」と書いている。 「おぉ、ホンマや」 素で間違えたのか。 「ほな、これやろ!冷蔵庫ん中にあったで!!」 確信犯。 大根でどうやって暖房器具を操作しろと言うのだろうか。 「葉の根元と本体の先端って、おろしたとき、どっちが辛いんやっけ?」 大根の自覚があるのか。 「んー…忘れたわ。ちょっとおろしてくるな?」 止めろおろすな荒らすな。 「無いなぁリモコン。部屋は片付けられとんのに…」 どうせ、あの人が壊したんだろう。 「現姐さんがなぁ…。やりそうやな」 ゴミ箱を漁るな。 「なんや、ろくなもん食うてへんなぁ」 余計なお世話だ。
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