夢現

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むしろそれだから 嫌だ 「君も嫌いだねぇ。もっと自分を愛そうよ。自己嫌悪なんて流行らないよ」 流行るとか流行らないとか そんなことはどうでもいい。 どうでもいいから死ねばいいと思うよ。 「今思っていることも素直に言えば?」 「死ねばいいと思うよ」 「ホントにストレートで来たね。人間いつかは死ぬよって言いたいところだけど、俺達はその法則には当てはまらないからね。複雑だ」 俺達 一緒にされた 気持ち悪い。 「じゃあね」 出ていった。 だから俺は、 あの女の人に 電話した。 外から爆発音が聞こえたけど 知ったことじゃない。 どうせ死んでない。 2番号地 やっぱり あの人がいた。 少し伸ばした髪を 今日は結っている。 右手には ペーパーナイフ 「あぁ、君か」 足元には 「元気そうだね」 死体 死体 死体 死体 「夢助は元気?」 死体 死体 死体 死体 「現姐さんは変わってない?」 死体 死体 死体 死体 「あとは…知らないや」 屍族の 死体。 「あぁ、これ?死んじゃった」 この人だけができる 屍族を殺せる。 「少し疲れたな」 返り血で濡れた服 元々血に飢えた目 「疲れた?うん。疲れた」 自問自答 この人は 狂っている。 「祭囃子。何しょん」 この人の『保護者』 「遊師。これ、死んじゃった」 死体=これ 「またか」 よくあること 「どうしようか」 考えていない 「ほっとき。そのうち消えるやろ」 消える 「ん」 この人は もう 『これ』を 忘れた 「…君か。あの2人によろしゅうな」 2人は 何も 感じていない 人の死は こんなに近いのに 遠すぎる 「おい餓鬼!何処行ってた」 2番号地 「またあの糞餓鬼がっ!!余計なことばっか言いふらしやがって」 あいつは 「どっか行った。チッ!結局一発も殴れなかった」 「まだ怒ってんの?現姐さん」 帰ってきた。 相変わらず気持ち悪い。 「殴られに来たのかぁ?糞餓鬼がよぉ!!!」 「うっわ危な。現姐さん、そろそろ落ち着きなって、大人気無いよ」 「知るかぁぁぁああああ!!」 このまま あいつが 死ねばいいのに。 「うっさいぜよ。現」 この人は 「あんだと?楽楽てめえ首突っ込んでんじゃねぇぞ。寝寝の子守はどうした」 『保護者』 「寝寝は留守番じゃき、今頃寝よるよ」 「添い寝してやれよ」 「寝寝はそんなこと望まんぜよ」 「でも、ホントに寝てるの?」 あいつが口を挟む
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