夢路

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「もう来なくてよかったんだよ?」 「ハッ。せっかく挨拶に来てやったのに、いい返事じゃねぇか」 「鴉天狗は相変わらず?」 「…」 「話し掛けんじゃねぇよ。菌が移るだろうが」 「酷いなぁ…。君もそう思うだろ?」 何故 俺に話を振る。 「確かに菌が移るから、死ねばいいと思うよ」 「…人選ミスだったよ。味方がいなくなっちゃったね」 「誰だ?そいつ」 「忘れたの?俺の同居人」 「…そういやいたな。あまり興味は無かったが…見る目がある奴だな」 「…どういう意味かな?」 「楽楽や寝寝はずっといるのか」 「祭囃子君や遊師も、ずーっと此処にいるよ。祭囃子君は毎日殺しちゃうし、今は俺が狙われてるし」 「そりゃいい話だ。一度消えてみろ。普通じゃ出来ねぇ体験だ」 こいつはホントに 嫌われ者だ。 皆が思ってる 死ねばいいのに って。 「前に同じ事を言われた気がするよ」 「じゃあ俺らはそろそろ帰るぞ」 「もう来なくていいよ」 「手土産に黄泉への片道チケットを持ってきてやる」 結局 黒の人は 一切口を開かず 誰にも目を向けず 出ていった。 「あーぁ、やっぱり夜光は苦手だなぁ。あの自己中心主義者。俺様キャラなんて今更流行らないよ」 どうでもいい 「君は平気なの?すごいね」 俺は お前が 我慢出来ない。 「よぉ糞餓鬼共。夜光が来てたのか」 「現姐さんも会えたんだ。よかったね」 「喧嘩してねぇのか…珍しいな」 「俺も、いつまでも餓鬼じゃないって」 「黙れ糞餓鬼」 この人にとって こいつは いつまでも餓鬼で 俺にとって こいつは 「あ、いた」 「帰っとったんか。ちょっと用があるんやけど」 また来た 「祭囃子、てめえまたやらかしたらしいじゃねぇか」 「死ぬ方が悪いんだよ」 「てめえのせいでまた仕事が増えんだよ!遊師も少しは『保護者』としての責任取ったらどうだ!!」 「無茶言わんといてぇな。消えた奴生き返らせろ言うんか」 「殺すのを止めさせろっつってんだ!」 「それこそ無理な話や」 「遊師、早く用事済ましてよ」 あいつは もういない 「現姐さん、退いて」 「あん?」 「あいつが逃げる」 「そーいうことや。またな」 2人は 窓から 翔んだ 「チッ!最近逃してばっかだ」 この人も 翔んで 「危なかった」 こいつは まだいる 「現姐さんには感謝しないとね」 「死ねばいいのに」 「俺はまだ死にたくないって」 死ねばいいのに
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