◇硝子の心臓、硝子の心◇

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愕然と肩を落とすキティ。 照り付ける西日の強い日差しが、絶望的にその身を焼き尽くそうとしていた。 その様子を見た悪魔は、今にも崩れ落ちそうなキティに不敵な笑みを浮かべた。 『キティ王子。 先程の出過ぎた詫びだ。【蜘蛛の糸】ではない、正当なる対価交換のな…』 そう言い残すと、再びうごめきながら、悪魔は地の底へと還って行った。 不意に呼び声が聞こえた。意識が遠退いていたせいか、それに気付くまでには、遥かな時が流れていたようだった。 《王子、キティ王子!ご来客でございます。どうしても王子にお目通ししたいと申す者がおります。急を要するかと思い、失礼ながらお繋ぎしました。いかが致しますか?》 「何用だ?不届き者めが!事によっては、呼び立てた貴様も首がないと思え!」」 《はい、男が言うには取引がしたいと…。キティ王子個人と。それと最後にこう申しておりました。 【これは、魂に関わる事だ】と》  「……」 キティ・ファンベルは、確信めいて言い放った。 「構わん、通せ」   
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