◇硝子の心臓、硝子の心◇

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6月12日  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 今日は私の誕生日。 昨日はあんなに泣いてしまったけれど、それ以上に姉さんが泣いていたから、なんだか悪いことをしたみたいで、それがとても悲しかった。 姉さんはいつだって、それが妹の私じゃなくても、年下の私じゃなくても、どこかのだれかのために泣いてくれる、とてもやさしいひと。私もはやく、姉さんみたいなすてきな女の子になりたいな。 神様なんかいやしないって泣いていた姉さん。それってきっと、私のために意地をはっていたからにちがいないよね。だって神様がいなければ私はこの世界に生まれてはいないのだし、姉さんが生まれたのもそうで、そして私と姉さんが出会えたのもそうなんだよ。 だからこそ今日の誕生日が、なによりもうれしくてしょうがないの。目をさましたベッドの上には、ほら、私があんなにもほしがっていた姉さんの大切なクマちゃんがいるの。その手には小さなヒマワリの花束をかかえて…、 〈 HAPPY BIRTHDAY dear Anna 〉 今日は私の誕生日だけれど、明日はまた世界のどこかでだれかが誕生日をお祝いしているわ。 だから姉さん、泣かないで。笑顔は幸せのもとだから。明日の世界のだれかのために、ずっとずっと笑っていてほしい。 すべての幸せは、生まれることからはじまるの。今日という日は、それをおしえてくれた日。 ねぇ、キティ。 あなたならきっとわかってくれるよね。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  
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