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「ギャァーーーー!!」
俺は独りでに叫んでベッドから飛び起きた。
俺はクローゼットの中から制服を取り出して、高速で着替え始めた。
ズボンを履いてワイシャツのボタンを締め、ネクタイをしてベルトを締める。
制服の構造は中学の時から変わっていないのでスムーズに着替える事が出来る。
もう慣れたもんだ。
しかし、どうしたものか、
残り時間10分ではもう走らないと間に合わない。
俺は最後にブレザーに袖を通してカバンを持って部屋を飛び出した。
勢い良く階段を降りると一瞬足を踏み外しそうになるが、気にせずその段を飛び越して下の階に降りた。
「あらあら、そんなに急いでどうしたの?」
と、息子の危機をもろともせずに呑気に話しかけて来たのは俺の母さん。
「えぇ!?どうしたのって母さん今日入学式だぞ!?」
「えぇ!?そうだったかしら!?早く準備しなくちゃ!!」
「もう遅いよ・・・・
じゃあ行ってくる!」
「あっ!ちょっと待ちなさい!」
そう言うと、母さんはリビングの中に入っていった。
玄関に取り残された俺は、呆然と立ち尽くす。
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