開戦

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神楽の視線の先には三年前に見たロボットがいた。 紺色のボディ、胸に光る赤い宝石のような装飾。 上腕、大腿部、足の甲は白の塗装。 三年前、最後に見た時のままの姿だ。 そのロボットが足を一歩踏み出す。 「はわぁ~」 その姿に神楽から素っ頓狂な声が漏れた。 三年前と同じくして感動しているのだ。 ロボットの歩行スピードが上がる。 そして、やや前傾になると同時にその巨体が走り出した。 それはヴェノムも同じだった。 地面が激しく揺れる。 互いに近づく2体の巨人。 先に手を出したのはヴェノムの方だ。 鋼色の五指を握りしめ、固めた拳を突き出す。 「三年のブランクがあったってなぁ」 一聖がコックピットの左足のペダルを捻る。 それに呼応し巨体が体を捻った。 ヴェノムの突き出した拳は空を切り、そして代わりにロボットの拳をモロに食らう。 重金属が激しくぶつかり合う轟音。 一聖はそのままの勢いでヴェノムを道路に叩きつける。 本日最大の揺れが月丘市を襲った。 「はっはあ、絶好調だぜ」
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