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こんな出会って少ししか経ってない人と笑い合ってるなんて……なんか……変なの。
***
「じゃあ、俺はさっきの公園で寝るとするよ」
「……えっ?」
「? どうした?」
「う、ううん……なんでも……」
なんでだろう。さっきまで『泊めて』なんて言ってきたら追い出してやる! なんて考えてたのに……。
自分からそんな風に言い出すとは思わなかった。
「……大丈夫? 警察に見つかったら言い逃れできないよ?」
「まぁそん時はそん時だ。また明日、この家に来させてもらうよ。それでこの話を断るなら別にそれでいいから、明日まで真剣に考えてもらえないだろうか?」
項垂れることしかできない。『いいえ』って……言いづらい。
いや……それ以前に……私……さっき……。
「じゃ、頼んだ」
「あっ……」
悩む様子もなく、さっさとドアを開けて出て行ってしまった。
……なぜだろう。正直、怖かった。知らない男の子と二人きりっていうのは。それは……当たり前……。
でも……今……私は少し……寂しがってる?
……多分、あの人――啓太は、すっごく一生懸命な目をしてたから……。
だから、私は――
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