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急いで部屋着を着替えて辞書の入ったトートバッグを持って玄関を飛び出します。
目指すはもちろん、うら若き乙女の部屋に下着を忘れていった……もっと言えば、下着を付けずに出て行った、あの変態の首。
走ったので直ぐさま公園に着き、早く“あれ”を回収させた後に殴って警察に――なんて考えていた時。
「う゛あああああ!!」
公園の中に小さな男の子が泣いています。見た感じ小学2、3年くらいに見える。
……そして、その隣に、
「おおよしよし、ほぉ~らお兄ちゃんの顔芸が気に入らないか!? だったらこんなのはどうだ!?」
――啓太がいた。
傍目から見ていてもわかる。あいつは……あの子を――、
「おぉ!? ちょうどいいところに! 実はこの子が――」
「くたばりなさいっ!!」
「ゲブフォアッ!?」
――誘拐ね!
「トートが!? トートが俺の顔をおおお!?」
「貴方……どれだけ腐れば気が済むの!? さっきのことも含め、あの世に行って罪を懺悔してきなさいっ!?」
「ちょ!? ちょっと待て!? 俺は昨日から誤解だらけだ!?」
「ほら大丈夫だからね! こっちに来なさい! その変態から離れて!」
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