7人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺に恋をさせてくれ!」
いきなり、言われた。
この夏休み中盤の8月始め、私は普通に大学に行って過ごして、テニス部の仲間との飲み会に参加して、家への帰り道で――、
「……ん? 聞いてるか?」
普通にコンビニ寄ってパン買って、ふとした気持ちで近くの公園に入って倒れたこの人を見つけて声をかけて――、
「……お~い……聞いて、ますか?」
第一声が、これ。
「……だめか? ……応えてくださいな!」
「……き」
「? き?」
「きゃああああっ!? 変態っ!?」
バァン!
「へぶほあっ!?」
持っていたトートバッグで、思いっきりその人の蟀谷(こめかみ)あたりを貫いた。
そして、動かなくなった。
「…………」
どうしよう。このままにしといて死んじゃったら……私、殺人犯……だよね?
「……と、とりあえず!」
うん、先ずは証拠隠滅! きっとそうだ! とりあえずこの人をうちのアパートに入れちゃおう。ここから徒歩三分だし。一番ばれないはず。
「……彼氏いない歴19になって、最初に部屋に入る男の人が……変態かぁ」
なんだか、やりきれないや。
とりあえず彼は縛り上げちゃお。確か工作に使った針金があったはずだから。
最初のコメントを投稿しよう!