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「……で、俺はどうしてこうなっているんだ?」
「変態だから」
とりあえず目は覚ましてくれた。これで殺人犯の線はないと。
「……なぁ」
「? 何?」
「俺に恋をさせてくれ!」
「もう一発」
「へぶほあっ!?」
今日はトートバッグ大活躍だね。絶対用途は違うけど、多分辞書が入ってたから効くと思うんだけどなぁ。
「まっ、待ってくれ!? なんで俺が見ず知らずの女に容赦なく殴られているんだ!?」
「ならこっちは見ず知らずの男の人にいきなり変な事言われているんですが。……というか、貴方、さっきから本当に何言ってるの?」
本物の変態だったら、あの暗闇の公園で即座に襲い掛かってくるだろうし、言動がこれだし、彼氏いなくて暇だし……。
と、とにかく、がんじがらめにしてあるから心配なし! 危ないと思ったら110番すれば! 話だけでも聞いてみよう。
「だ、だからさっきから言ってるだろう!?」
「……“恋をさせてくれ”……だっけ? それが変態なんだけど」
「いや、それだけじゃない!」
「ん? なんかあるの?」
そうだよね。それだけならただの変態だよね。きっとなんか事情があるんだ。
うん、聞いてあげよう。私は心を広く持とう。すぐに警察沙汰なんて酷いよね?
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