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「もし手伝ってくれたら」
「手伝ったら?」
「俺の童貞をお前に――」
「もしもし警察ですか?」
「早いっ!? 瞬く間に110番を容赦なく!? どうか警察はご勘弁をおおっ!?」
「……すいません、勘違いでした」
まったく……もう変態は確定したから警察でもいいのに。
「……さっきのは冗談です」
「じゃなかったらもう一回警察沙汰だったけどね。……で? 具体的に貴方がしたいことって何なの?」
「…………えっ?」
……? なんでそんな驚いた顔するんだろ?
「……お前、聞いてくれるのか?」
「だって危なかったら警察に直で連絡すればいいしね。ここアパートだから大きな声出せばとりあえず大家さんとかも来るし」
「……随分、度胸があるやつだな」
「???」
「……俺は東 啓太(ひがし けいた)。都内某所に住んでいる19歳だ」
あっ、私と同い年。年上かと思ってた。
「……実は俺は小、中、高校と計4回の恋をして、全て失恋した。告ってフラれた」
うわ~……ちょっと人事とは思えない。
「そしてよく考えた……俺には何が足りないのか、どうすれば彼女達に良かったのか。……しかし、考えてそれを決めても、それを見てもらえる相手がいない」
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