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う~ん……つまりは……。
「……貴方は女の子のためにどうすればいいかを考えて、どうするかを決めたはいいけど……それを実行する“相手がいない”と……そういうこと?」
「うん」
「だから私に恋をして……それを実行したい……と」
「そういうことだ」
うーん、なんだろう。色々と言ってあげたいことはあるけど……。
「あのさぁ、今の話を聞くかぎり、ここが一番重要だと思うんだけど」
「ん? なんだ?」
「……私に貴方が恋できるとは限らないよ?」
「それについては心配いらない! 俺はお前になら恋できると確信している!」
「え? ……なんで?」
「お前は空腹で倒れていた俺に優しく声をかけてくれた。そんな優しいお前に恋できないわけがない! お前は可愛いしな!」
「……!?」
ちょっ!? 普通、出会って2時間程度の相手を普通に『可愛い』とか言う!?
言われ慣れてないから顔が!? 顔が熱いよう!?
「……ん? ちょっと待って」
「今度はどうした?」
「貴方……今『空腹で倒れた』って言ったよね?」
「あぁ。それがどうした?」
「……今は、平気なの?」
「…………」
グギュルルルルル!!
「……しぬ」
「えええっ!? 嘘!? しっかりして!? ほら、さっき買ったパン! これ食べて! 早くっ!?」
――これが私達の、あまりにおかしすぎる、出会いだった。
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