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「……ありがとう、助かった」
「……貴方、三日も何も食わないで自転車漕いできて、挙げ句に自転車盗まれて追ってる途中で倒れるなんて……どんだけ馬鹿なの……」
縛りを解くわけにはいかないから、私が食べさせてあげた。
一応、金は持ってるらしいけど……ならなんでコンビニとかで食事を買わないんだろう?
「なんで食事買わないのよ? その後ろのリュックの中にお金も入ってるんでしょ?」
「この金は自分磨きに使うと決めた。それ以外には使わない!」
自信満々に言い切る彼。普通はもうちょっと格好よく見えるものだけど、今は馬鹿としか思えない。
「それで自分が倒れたら意味ないでしょ……って……あんた、臭くない?」
「あぁ。かれこれ7月辺りから風呂に入っていないからな」
「ひいいいいいっ!?」
ちょっと待ってよ!? 私そんな人をおぶって運んできたの!?
「ちょっと待ってなさい! 今警察を呼んで貴方を連れ出してもらうから!」
「まっ、まってくれ!? 確かにまともな風呂には入ってないが、汗は毎日流したぞ!」
「どこで?」
「公園で」
「もしもし警察ですか!?」
「だから待って!? 話を聞いてください!」
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