友情の一球～もう１人の主人公～

闇

ボールは綺麗な回転のまま俺の胸付近に向かって来る。

俺はそのボールを少しビビりながらも、グラブを前に出して捕る体勢に入った。

グラブをはめた右手をボールの軌道に合わせて、俺はグラブでボールを捕球した。

このボールを捕るという新鮮な感覚に俺は心地良さを感じた。

俺はグラブに収まったボールをじっと見つめて、そこから動かなかった。

「ナイスキャッチだ！流星。次は投げてみろ！」

アルが俺に向けてそう叫ぶと、俺はようやくグラブからボールを出して左手に持ち替えた。