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ボールを持った左腕をしならせながら、右手を引くことによって遠心力を利用してボールをアルに向かって投げた。 バシィィィン!!! ボールは気持ち良い音を鳴らせながら、アルの左手のグラブに収まった。 ……なんだ今の感じは? 俺はこの時、今までに感じたことのない感情が芽生えた。 野球が楽しいという感情に俺は包まれていた。 「なかなか速い球を投げるな。流星には野球の才能があるんじゃねぇか?」 俺はアルのその話を聞くと、誰にも聞こえないように1人で呟いた。 「……いくら才能があっても俺はその才能を生かす機会なんてないんだな」
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