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「日本語……」 俺は無意識の内に自分の今の状況を忘れ、そう呟いていた。 「あぁ、そうか。珍しいよな。俺は小さい頃に日本に住んでたから日本語が出来るんだ。驚いたか?」 その人は気さくに俺に話し掛けてくれて、俺は拉致されたということを忘れそうになる。 「……お金は持ってないです」 俺がそう言うと、その人は「そうか」と呟き、またボスらしき奴に近付いて話し始める。 「お前の金はボスが責任を持ってくれるそうだ。その代わりにこの組でしっかり働けよ」 こうして俺は中学生でヤクザの道へと進んで行った。
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