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ふっと目が覚める。
「!!??」
私は混乱状態のまま、自分の体を確認した。体はどこもモザイクになってはいない。
夢…??
体をさすりながら身を起こす。
「…。」
景色が違う…。
てか、ここどこ??
さっきまで自分の部屋にいたはずなのに、煉瓦作りの並木道のような所に、私は座り込んでいた。
「えぇ!?」
パニックになって辺りを見回す。
50メートル程先に、何か大きな建物がある。人がいるかもしれない。落ち着け私!!とにかく状況を把握しなきゃ!!
私はよろよろと立ち上がり、建物の方に歩んだ。
大理石の大きな門が近づいてくる。
なんか…妙に見覚えがある気が…
私はひとつのあり得ない可能性を頭を振って打ち消す。
門には建物名が堀られているようだ。私は恐る恐る、その文字に目を通す。
[私立湊学園高等部]
私は目をこすって、2度見した。
[私立湊学園高等部]
声に出して読んでみる。
「しりつみなとがくえんこうとうぶ?」
何度見たって、その文字はそう主張してきた。
思考回路断絶。
私はフリーズした。阿呆みたいに口を開けて、その建物を見上げる。
……。夢でしょ。嘘でしょ。
ここ、『ミナコウ』の中!?
「君、何してんの?」
低い声が背後から響いた。
「はひぃ!!」
私は飛び上がらんばかりに驚いて振り返る。
「…変質者??」
そこには、男の子が眉をひそめて立っていた。
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